ジプシー音楽のススメ

映画 『トランシルヴァニア』公開にちなんで
トークイベント  『ジプシーを追いかけて─ トニー・ガトリフ特集』

8月に公開されるトニー・ガトリフ監督の新作映画『トランシルヴァニア』は現代におけるジプシー/ロマの存在のあり方を再度問い直す問題作です。ジプシーの今を映像で辿ってきたシリーズの11回目として、これまでのトニー・ガトリフ作品を解説しながら振り返ります。
by 関口義人


2007年8月11日より、シアターイメージ・フォーラム(渋谷)にて上映。
トランシルヴァニア 公式サイト



【ジプシーについて】
ジプシー民族は11世紀頃に、ジプシー発祥の地とされるインドの北ラジャスタン地方から旅立ち、トルコ、エジプト、中東からバルカン半島を抜けて西へ西へと進み、ヨーロッパ、果ては北アフリカまで、何世紀にもわたり苦難の歴史を歩み続けた。言葉はあるが文字をもたなかった流浪の人々は、その旅の記憶、民族の歴史を歌や踊りに託すことで後世に伝承した。土地の文化と出会い、互いに影響を与え合い、また新たな音楽を生むという長い旅の記憶が、ジプシー音楽の多面性となっている。
ジプシーの音楽は、バルトークやリストなどクラシックの作曲家に多大な影響を与え、また、スペイン南部ではフラメンコを生み出した。現在でも旅を続ける人々もいるが、多くはスペイン、フランス、東欧の村々などに定住している。

【トニー・ガトリフ監督について】
1948年9月10日アルジェリアに生まれる。
父親はフランス人、母親はアンダルシア地方出身のロマ(ジプシー)。60年代の転換期にアルジェリアを去り、フランスに渡る。自らのルーツでもある“ロマ民族(ジプシー)”を永遠のテーマに映画を撮りつづけている。
トニー・ガトリフ監督のジプシー映画3部作「ラッチョ・ドローム」「ガッジョ・ディーロ」「ベンゴ」は、衝撃的な映像と音楽世界を作り出している。
『ラッチョ・ドローム』はインド、ラジャスタンを出発点にアジア、アラブ、ヨーロッパと8カ国にまたがり長い流浪の旅路についたロマ民族について音楽を通して語った感動の映像詩。
『ガッジョ・ディーロ』では、ルーマニアを舞台に魂の音楽と真実の愛に気づき成長していく青年の物語を鮮やかに描き、『ベンゴ』では、アントニオ・カナーレスを主演に迎え、情熱のフラメンコを見事に映像化した。

興味深いテーマでした。
私が過去に見たトニー・ガトリフ作品は『愛より強い旅』のみ。→2006年1月 ブログ記事
映画『トランシルヴァニア』が気になっていて、たまたま彼の作品だということを知ったのだ。
見てみたいという気持ちが強くなった♪

【イベントで紹介された映画】
①ラッチョ・ドローム 1933年/フランス
インド、ラジャスタンを出発点にアジア、アラブ、ヨーロッパと、8カ国にまたがり長い流浪の旅路についたロマ。彼らの奥底からわき上がる強烈な音楽を通してジプシー民族を語った感動の音楽映像詩であり、文字を持たないジプシーが、全編鮮やかな映像と音楽で彩られている。身体と音を通して緻密にロマの生活文化/歴史の記憶を伝える彼らは生きる喜びに満ち、より人間的であることを求めて懸命に生きている。『ラッチョ・ドローム』とはロマ語で「よい旅を」の意。

②ラッチョ・ドローム 1997年/フランス・ルーマニア
パリから来た青年ステファンは幻の歌姫を探してルーマニアを旅する。唯一の手掛りはカセット・テープに記された謎の名前ノラ・ルカとその歌声だった。よそ者に対して冷たい態度をとるロマ族の人々。しかしステファンのことを気に入った老人イジドールは、彼を村に招き入れる。情熱的なサビーナとの恋、質素でたくましいロマとの共同生活。ある事件をきっかけに、ロマの魂にふれステファンは自分にとっての愛と真実を発見する。“ガッジョ・ディーロ(よそ者)”とロマ族が国境と民族を超えて音楽と魂とで結ばれる恋愛劇。

③ベンゴ 2000年/スペイン・フランス
スペイン・アンダルシア地方。最愛の娘を亡くしたカコ。カコの兄マリオは、かつての幼なじみであったカラバカ家の長男サンドロを痴話げんかから殺してしまい追われる身となっていた。怒りの全てはカコ一家に向けられる。家族のように愛する仲間たち、そして甥のディエゴ。情熱のフラメンコと共鳴し、血の復讐劇は誇り高きロマの魂の物語へと昇華されていく。アントニオ・カナーレス、トマティートほか現代フラメンコの頂点に立つ多くの天才的ダンサーやミュージシャンたちが出演し、本物のフラメンコを体現する。

④僕のスィング 2002年/フランス
ギターの名手ミラルドの演奏に心を奪われた少年マックスは、ある日、ギターを買いにマヌーシュが暮らす地区へ出かける。そこで彼のウォークマンと引き替えに粗悪な中古ギターを押しつけたのは黒い大きな瞳を持つ少年のような娘スウィングだった。ギターを習いに毎日のようにミラルドのトレーラーに通うマックスは、音楽に囲まれた陽気で自由なマヌーシュ、そしてスウィングに魅了されていく。
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by cafe-lover79 | 2007-08-19 09:59 | 海外の旅&文化


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